禁断の・・・

昭和史を少しずつ紐解いています。
きっかけは父親に薦められた松本清張『昭和史発掘』(文芸春秋

新装版 昭和史発掘 (1) (文春文庫)

新装版 昭和史発掘 (1) (文春文庫)

しばらく読むのをやめていたのですが(なんせ小難しいので)、
久しぶりに手に取った巻が「滝川事件」「天皇機関説」など、
第二次大戦前に日本政府が(右翼が、軍部が、世論が?)純粋学問を弾圧し、
幾人かを傷つけた事件を取り上げていたため、一気に読み上げました。
知人(67歳)は、日本にそういう時代があったことを見るのが辛い、といって
これら事件についての記述を読むことをなんとなく避けているそうです。
それほど恐ろしい時代であったと思います。
そのような弾圧が、またナチスによるユダヤ人迫害のようなことが、
一般的に抵抗感なく行われてしまったこと、
そしてそのようなことは数十年経た現代においてすら起こりうるということ、
そういう事実が背筋を寒くさせます。
洗脳というのは知的水準や文化的水準とは関係ないということは、
オウム真理教の信者に高学歴の者が多くいたことからも分かる通りで、
ほんの少しのズレが後に大きな溝を作りだすのではないかと思います。
今回の震災に際しても多くのデマに沢山の人が惑わされました。
「知は力なり」
この言葉の意味を問い直す昨今です。