アスベスト

今度の授業で扱うアスベストの国賠訴訟の勉強をしています。
論点になるのは、20世紀初頭から危険性が分かっていたアスベストの使用を国が適切に規制してこなかったことの違法性です。
つまり、アスベストという物質の危険性を国は認識していたのに、それを規制する措置を取ってこなかったのであり、そのために石綿肺や中皮腫で苦しむ被害者が増大した、そのような国の不作為(何もしなかったこと)は違法であり、国は賠償金を支払うべきだ、ということを訴えた裁判です。
これは水俣病の訴訟の際にも争われた点です。
多くの公害問題は、社会経済的に有用な物質等はその有害性が分かっていても製造・使用を規制しないためにおこるものです。たとえそのために疾病で苦しむ多くの市民がいることが分かっていたとしても。